東芝内部資料で判明、中国でも原発建設3年遅れ

bu_2017-0210

まず米原子力子会社ウエスチングハウス(以下、WH)を東芝は何故傘下に収めたのか?

東芝は2006年2月に、かつて存在していたイギリス政府所有の持株会社である、英核燃料会社BNFLが保有していたWHを54億ドル(当時の為替で約6400億円)で買収した。

この買収には米GEや三菱重工なども関心を示していたが、特に三菱重工は同じ加圧水型軽水炉(PWR)メーカーとして、WHと長年提携していた実績もあった。

この為にある程度WHのノウハウや技術力に触れていたことから「積極的に買収する価値」を見出すことが出来なかったようだ。

しかしこのほど巨額損失が発生する可能性が指摘されているのは、2015年12月にWHの完全子会社となった米建設会社ストーン・アンド・ウェブスター(以下、S&W)絡みのものであるのだが、このとき東芝のIRでWHによるS&Wの買収額は、経済紙では買収額ゼロドルと報じられたこともあった。

しかし実際には買収額は2億2900万ドルと伝えられており、当時の為替からすれば約275億円程度だったと推定される。

だがこのS&W社に関わる減損処理が2016年12月の時点で約7000億円と伝えられており、更に特別損失は増える可能性があるようだ。

この巨額損失の一報が伝えられたとき、ある東芝役員が「誰一人としてこの会社のことを把握している人間がいない…」と嘆いたそうだが、一企業が業務を請け負うにしては手を広げ過ぎたのではないか?

突然7000億円の減損が昨年買収して傘下に収めたはずのS&W絡みで被ってしまうとか…。言い方は辛辣だが到底まともな会社とは思えない。

東芝では2016年4〜12月期の決算を2月14日に発表すると公表するとしている。

世界的に見ても多くの先進国が、核燃料廃棄物の処理コストや地層処分する埋設地の確保、そしてチェルノブイリや福島第一原発のメルトダウンがもたらした原発の核リスクや事後の廃炉処理コストを考慮に入れ始めている。

第二次世界大戦後に使用する電力の多くを原発に依存していたアメリカですら、原発の新規発注は1978年を最期でその後40年近くが経過するが、米国内で原発は建設されていない。

これは原発でのトラブルが続いたのに合わせ、設備利用率が低く運用及び廃炉などのコスト面でメリットよりデメリット、すなわちリスクのほうが大きいものと認識されたのだろう。

アメリカで最も注目されている資源エネルギーが頁岩(けつがん)からなるシェール(Shale)と呼ばれる層に残留しているシェールオイル・シェールガス(※1)である。

このシェール層でも比較的地下に浅い部分には石油に混じったシェールオイルが、そこから更に深く掘削すると熱分解が進んだシェールガスが存在する。

以前は地下2000メートルより深い地点にあるシェール層の掘削が技術的に難しかったのだが、21世紀になりアメリカ国土で本格的な生産が可能となったことで、新しいエネルギーとして世界経済や政治にまで影響を及ぼしている。これをシェール革命と呼んでいる。

それまでシェールガスは生産コストが高過ぎるため市場性がないと判断されていたが、2004年頃から高騰した原油価格、それに連動していた天然ガス価格も大きく上昇し、その価格とシェールガス生産との採算性が見合うものとなり本格的な開発が進むようになった。

こうなるとアメリカでの原発受注はまず有り得ない話しだし、原発大国と呼ばれるフランスでも原発反対派の気運が高まってきている。

石油や天然ガス・シェールガス等の価格が安定して継続的な供給が出来れば、各国ともに資源エネルギーの調達には当分困らないだけの生産量がある。

こうしたエネルギー資源のダイバーシフィケーション化で原発の必要性は完全に失われている。

まだ東日本大震災で被った甚大な被害も記憶に新しく、もう日本人は原発建設は受け入れることが出来ないだろう。それも永遠にね。

まだまだ東芝には現在進行系の爆弾が中国にある。WHが中国で建設中である4基の原発のうち3基が当初の予定から3年以上も納期が遅れている。

これだって最終的に現存が何千億円、いや何兆円にまで膨らむかすらわからない。

しかも2016年6月にはオバマ米大統領とモディ印首相との首脳会談で、東芝傘下のWHがインドに原子力発電所を建設することに合意(※2)している。

この先普通に経営したとしても東芝が負債全額を清算することは無理だろう。だから倒産して清算するのもひとつの合理的な判断ともいえる。「国民の血税」を輸血したって経営再建は無理だろうしね。

ここまで疫病神に祟られてしまった東芝と原発。東芝だってもういつ潰れてもおかしくはない。

記事:http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600052/020900006/
出典:http://jp.wsj.com/
引用:第1節米国の「シェール革命」による変化 │ 資源エネルギー庁(※1)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/1-1-1.html
引用:原発の巨大市場争奪へ 米WHがインドに建設(※2)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H9G_Y6A600C1EA1000/
参考:東芝の苦境を物語る中国原発事業の誤算
http://jp.wsj.com/articles/SB12796882447964964591404582528381470392016
参考:オバマ政権の環境・エネルギー政策(その9) | NPO法人 国際環境経済研究所
http://ieei.or.jp/2013/10/special201308_01_009/

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください