ロイター企業調査:残業規制で4割が支障、働き方改革5割が費用増

bu_2017-0421

この調査は資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に4月7日─17日に実施。回答社数は250社程度。(※記事本文より)

もうね、この時点でお察しというか。笑 基本的にメジャーなマスメディアが「企業」として取り扱うのが、資本金10億円以上の中堅・大企業ってことなわけでさ。それ以下の個人商店に毛が生えた程度の規模では調査する価値も無いってことなのかもね。失笑

でも実際に残業規制にメスを入れなければならないのは、個人商店に毛が生えた程度のならず者集団の方だと思うんだけどねぇ。笑

政府の働き方改革実行計画では、残業時間の上限が年間720時間に規制された。(※1)

特例として労使協定を結べば年間の時間外労働時間を1年720時間(月平均60時間)にするとしている。これを社員が1人でも超えたら確実に逮捕・送検される絶対的上限規制になる。

しかしやっぱりというか予想通りというか非製造業の労働集約型産業、即ちサービス業界から残業規制されると「業務に支障が出る」と答えた企業が約半数の46%にも及んだ。

このマンパワー依存型の企業規模が大きければ、残業規制で業務に支障が生じそうな一部分のみを下請業者などに業務発注してしまえば、返り血を浴びることなくリスク管理出来る。

いわゆるとかげの尻尾切りというかね。

このババ抜きのようなババの押し付け合いでは、プレーヤー同士は決して対等な関係ではないんだな。結局は権力の力学によって弱い方へ弱い方へと一方的に押し付けられる。

そして最後にババを引かされた末端下請企業では、残業規制どころか最低賃金すら確保することも疑わしいクズ値しか残ってなかったり。

そう言うときに決まって発注元や零細ブラックの経営者などは判で押したように、

「ひとつの業務ではなくグロスで考えよう」

と担当者を言い包めようとするんだな。皆さんだってこれを言われたのは一度や二度では済まないはずだよ?笑

当然発注価格が雀の涙なら、働き方改革や残業規制がどうこうという問題以前に、社保年金や賞与・退職金などの従業員が受け取って然るべき報酬や福利厚生でさえ、ブラック企業が搾取してしまう。

これが非正規労働者の実態で、とどのつまり使い捨ての奴隷の末路なのだ。

しかし法令上の人件費でさえ適正に捻出できない末端下請企業では直接雇用を諦めざるを得なくなる。だって労働基準法や労働契約法で定める「社会保障のある有期雇用」を確保する見通しすら立たないのだから。

そうなると末端請負のブラック企業が選択する手段はただ一つ、形式上のアウトソーシングに他ならない。

仕事の完成に対して報酬が支払われる請負契約や、仕事の完成ではなく継続的な業務の処理について報酬を支払う業務委託契約など、業務の形態によって区分はあるのだが法令上では一括して「請負契約」として扱われる。

特にサービス取引がメインの業種では、取り扱うサービスが無形性(無形財)であるために価格設定が難しい。もっと簡単に言ってしまえば、ある顧客が「このサービスは○○円の価値です」と言い切ってしまえば業者は従わざるを得ず、結局はそれがサービス単価の基準値となってしまうのだ。

こうした無形性サービスの単価基準の根拠としてこの資料が使えるかどうかは別だが、毎月日本銀行が公表している「企業向けサービス価格指数の公表データ一覧(※2)」から、他業種のサービス価格と照らし合わせて、自社サービスの対価を比較・検討してみても面白いかもしれない。

また請負契約以外にも、人を雇わずに直接就業する「個人請負型就業者(※3)」が新たな契約上の火種となって燻っている。

問題の一部が既に表面化しているのだが、一番多い例が働く場所や作業内容はまったく同じなのに、就業条件が雇用ではなく請負契約であることを、就業者自身がまったく理解していないケースが目立っているようだ。

労働基準法の第9条では「労働者(※4)」について定義している。

(定義)
第九条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

しかし問題となっているケースでは、個人請負型就労者は労働基準法の部分的な適用を受けるに過ぎず、法令上就労者保護が不十分に扱われるケースが見受けられるからだ。

昭和60年の労働基準法研究会報告にて、「労働基準法の『労働者』の判断基準において(※5)」では、雇用契約なのか請負契約なのかの判断基準がひとつの指針を定めている。

労働基準法の『労働者』の判断基準において
1.指揮監督下の労働であるか否か
2.報酬に労務対価性があるか否か
3.その他要素

形式的に個人請負型就労者として請負契約していても、その就業上の特性から契約と業務実態に大きく乖離が見られれば「偽装請負」と判断されるケースもあるようだ。

また個人請負型就労者との間で請負契約としての契約書式をすべて揃えていても、偽装請負と見做されるケースについてはコンプライアンス上の観点から、事業者は請負契約から派遣契約への切り替えを迫られることもある。

これは「労働契約申込みみなし制度」と呼ばれ、平成27年10月1日より施行されている(※6)。悪質な偽装請負が横行すれば、政府は更に規制を強化する方向で動くだろう。

働き方改革は画一的に行うのではなく、あらゆるケーススタディを取り上げて落とし込んでいくべきだ。

何故ならそれが直接、ブラック企業撲滅に繋がるわけだからね。

記事:http://jp.reuters.com/article/reuters-poll-work-japan-idJPKBN17N03K
出典:http://jp.reuters.com/
引用:政府案「残業年間720時間」で長時間労働はなくなるか?(※1)
http://president.jp/articles/-/21497
引用:企業向けサービス価格指数の公表データ一覧(※2)
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cspi_release/index.htm/
引用:厚生労働省:政策レポート – 個人請負型就業者に関する研究会について(※3)
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2010/05/01.html
引用:労働基準法 昭和二十二年四月七日法律第四十九号(※4)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html
引用:労働基準法研究会報告 労働基準法の「労働者」の判断基準について(※5)
http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/osaka-roudoukyoku/H23/23kantoku/roudousyasei.pdf(PDF)
引用:「知らなかった」では済まされない労働契約申込みみなし制度~10月1日から「派遣先」に科されるペナルティ(※6)
http://www.huffingtonpost.jp/nissei-kisokenkyujyo/labor-contract-penalty_b_8225096.html

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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