16年の実質賃金5年ぶり増 プラス0.7%、物価下落が影響

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まずね、「5年ぶり」ってことが一番肝心なところ。つまり直近4年は「減少」してたってことなんだから。本来ならもっと早く実質賃金が上がっていなければダメなんだよ。

政府に促されるがまま賃金だけが引き上げられ上昇する、しかしこの賃上げは実質一部の大企業や公務員に限定されたもので、中堅以下の企業には賃上げされたという実感が無いはず。

アベノミクスの恩恵を甘受する一部の大企業以外では、売上高が伸びる見込みも無いまま賃金の引き上げ分だけ企業収益を圧迫している。

ハローワークなどの求人情報では中小零細企業の求人は未だに年収300万円程度なのに、実際に入社してみると与えられるのは年収600万円に相当する仕事だったりする。但しここで発生した300万円もの差額はいわゆるサービス残業というね。笑

まだ大企業ならば交渉次第ではサビ残分の賃金を支払ってもらえる可能性はあるが、中小零細の特に末端請負企業だとサービス残業分の賃金を回収するのはほぼ不可能でしょ?つまりそういうこと。

円高や原油安から物価下落となり実質賃金を押し上げたものだが、景気の先行きは不透明であり、この賃金上昇が持続するか否かも依然として不透明なまま。

非正規雇用のアルバイトやパート・派遣労働者に見られた賃金上昇は、就業者が減少していることが要因で企業が年末繁忙期など人手確保のために一時的に賃金が上昇したものと思われる。

そして現在増えている求人のほとんどは低賃金のサービス業と医療・福祉に従事する看護師・介護士の類。つまり労働生産性の低い職種の求人しか実質的には増えていないはず。

この人手不足の状況下で人員の新陳代謝がいくら早くても、大幅な賃金の上昇はまず見込めないだろう。

事実、公共工事の労務単価は2000年の16263円以降、2012年の13027円の底値に至るまで12年連続で下落(※1)し続けた。

建設業は他の産業に比べて就労環境が劣悪な上に待遇の悪さが挙げられるが、この労務単価が下落の一途を辿ったことで職人など技能労働者の多くが建設業を離れることに。

深刻な人手不足から国土交通省や大手ゼネコンなどの働きかけにより2015年度には16678円にまで回復する。これでようやく2000年の労務単価のレベルにまで引き戻したのだ。

そかしその一方で公務員給与はこの期間であっても毎年上昇(※2)し続けている。(※2012年と2013年は給与改定・臨時特例法に基づく給与減額支給措置による減額前の額)

有効求人倍率上がったのは団塊世代の退職が一息ついたから。でも企業はその穴埋めために正社員を正規雇用するのではなく、アルバイトや派遣労働者など非正規雇用者を雇用することで埋め合わせをしている。

つまり1名の正社員を雇うのではなく非正規雇用のアルバイトなど2名で空いた仕事を埋めてる状況なのだ。

だから求人数自体は増えてはいるが賃金そのものはほとんど上がっていないことからも、雇用の正常化には依然道のりが険しい状況であることが読み取れるだろう。

この状況が今後も続くとして人員が定着しにくい産業における3年後の離職率を想定してみれば、この雇用創出が如何に異常事態なのかその理由が誰の目にもハッキリと分かるはず。

消費増税なんてものは経済対策中に行うような施策ではない。本来経済対策とは未来への投資を実現する経済対策(※3)という前提があったはず。

それでありながら政府は法人減税分の財源確保のため、国民に消費増税10%の負担を押し付けようとするのだから、信義にもとる政策だと言えなくはないだろうか?

まず法人減税は本当に必要なのだろうか?わたしは法人税を増税して国庫に歳入しても構わないだろ?って思っている。

ただあまりに法人税率を上げ過ぎてしまうと、企業は税金の安い国へと本社を始めとする拠点を移してしまうだろうから、他の先進国と協調性を保たねばならないだろうが…。

わたしは厭世観が人一倍強いと思われる典型的なペシミストなので、こういう大本営発表を素直に喜ぶことが出来ずいつも粗探しばかりしてしまう。

この捻くれた性質は自分でも持て余してしまうほど実に面倒くさい…。

記事:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF05H0E_W7A200C1000000/
出典:https://www.wsj.com/
引用:平成27年10月調査の結果 | 一般社団法人 全国建設業協会(※1)
http://www.zenken-net.or.jp/labor_cost/result/
引用:国家公務員の給与 – 内閣官房(※2)
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/h28_kyuyo.pdf(PDF)
引用:経済対策を閣議決定 事業規模28兆円、国・地方の歳出7.5兆円(※3)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL02HQM_S6A800C1000000/

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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