焦点:企業の内部留保が過去最高、給与に回らず春闘も期待薄

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今年で官製春闘も4年目になるけれど、年を追うごとに賃上げについて企業は及び腰だし、労組だってド派手なアドバルーンを打ち上げないよね。

企業が内部留保資金を崩さない要因は単純に人件費だけの問題ではない。当然設備投資だって行わなけれならないし、または株券など有価証券のような金融資産も含まれる。

しかしほとんどの企業は金融資産よりも金融負債の方が多いので、当たり前のことなのだが金融負債(借金)返済を計画的に行う。金融負債を返済すると内部留保資金は増えていく。

今年はトランプ政権の誕生や北朝鮮の脅威が拡大、そして景況感は相変わらず先行き不透明感が払拭出来ない。

本音のところは結局「現状維持ならAll Okay」ということなんでしょう。賃上げが原因で会社が倒産してしまっては身も蓋も無いですから。

ただ大手は形だけの春闘で多少なりともベアを実施してくれれば御の字だろうが、それ以下の中小零細なんて更に状況が厳しいだろうから期待薄どころか絶望の二文字しかないよな。

そもそも現代日本は放っておいても勝手に賃金が右肩上がりで上がる時代ではない。1980年代までは人口は増え続けていて人口の増加に合わせて消費も上向いてたわけだから。

でも一転して日本の人口は減少に転じたことで、バブル期と同じような商売のやり方では物が売れなくなってしまった。

しかも少子高齢化は尚も加速しているので高齢者は先行き不安から貯蓄を崩すことをしないし、本来最も消費すべき子育て世代にお金が回らないから更に少子化に歯車がかかってしまう悪循環。

榊原定征経団連会長も「賃上げより景気対策を」と政府に諫言する気持ちも痛いほどよく分かるよな。

しかし政府が掲げる対策とは、長時間勤務是正や同一労働同一賃金に向けた非正規待遇の見直し。普通に考えればこの政策が消費を冷え込ませる効果はあっても、景気改善に繋がるとは到底思えない。

例え労働者側が高額ベアを勝ち取ったところで、長時間労働を抑制し時間外手当が大幅に減ってしまうと、年収ベースではむしろ大きなマイナスになる。

大手企業ではこれに合わせて給与は変えずに所定労働時間を短縮するなど工夫を凝らす会社が多く見られる。1日の所定労働時間を短縮しても給与をそのまま据え置くことで、これが企業側にとって実質的なベアと位置付けているところもあるようだ。

ただ同じ企業に勤めていたとしても人それぞれ生活環境や目的が違うのだから、自分の時間を大事にしたい人もいればもっと稼ぎたい人だっている。

つまり同じ企業に属していてもそれぞれが働き方を選択出来るようなビジネスモデルを構築していくことが今後より一層企業には求められるだろう。

そうなるとこれまでと同じように、ただ仕事をしているだけでは景気など回復しようが無いことがわかる。つまり消費意欲を高めるためには個人所得を増やすため副業の持つ意味合いがより重要度を増してくる。

政府が近年「副業奨励」と繰り返し連呼するのは、通常の企業活動だけでは限界があるという判断から。おそらく今年以降、副業についての関連法令が矢継ぎ早に制定されるだろう。

だからこの時点で人手不足に喘いでる企業、特に中小零細企業は本気で人員確保に走らないと、今後本業を疎かにしかねない副業の台頭でいよいよ業務が回らなくなるかもしれない。

社会的には副業を容認する流れとなっている。いつまでも副業禁止の規制を敷き続ける鎖国状態の企業では、優秀な人材ほどその企業に見切りをつけてしまうだろう。

大企業に比べて福利厚生面で大きく見劣りする中小零細で、優秀な人材を繋ぎ留めるためには他社と比べて高待遇、即ち水準以上の高い収入を保証するしか術が無いはずだ。

今後は長時間勤務抑制、年間最低5日の年次有給休暇取得の義務化、同一労働同一賃金の是正など企業を取り巻く法令改正が続く。これらはその効力がより一層強くなることはあっても逆に緩むようなことはない。

特に解雇規制の緩和は急いだほうがいい。大手はともかく中小零細のような資金面が脆弱な企業は簡単に従業員を解雇することが出来ないため、これが原因で労働生産性の向上が図れない。つまり負の資産と言わざるを得ない。

働きの悪い従業員を解雇出来ないと人手が足りなくても人員増員をかけられないし、いま雇用中の従業員の給料も増やしてあげられない。

つまり働きの悪い社員でも法律で雇用を保護することが義務化されているから、優秀な社員の給料に回すことが出来ないわけだ。

こうした弊害によって雇用の非正規化や名ばかり管理職への過重労働の強制、これらの要素がブラック企業を生み出して市場に蔓延することとなる。

このような流れを敏感に察知することの出来る優秀な人材ほど呆気なく簡単に市場へ流出してしまうのだ。

記事:http://jp.reuters.com/article/employee-salary-idJPKBN16G09B
出典:https://www.oroyfinanzas.com/

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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