「同一労働同一賃金」2019年度施行へ 政府、5月末に閣議決定

em_2016-0516

早い話が終身雇用制度の撤廃に続く、正社員雇用制度の廃止に他ならない訳ですよ。

余程高度な専門職に従事している人以外は、雇用形態の違いによる職責の違いなんてほとんど差異は無いのですから。

終身雇用や手厚い企業福祉について企業がその保障を負えない、つまり社員が退職するまでの生活の面倒を会社が見れないのなら、正社員という身分に拘る必要はまったく無いのだ。

賃金や待遇を下げられてまでその会社に忠誠を誓う必要は無いし、閉塞感がある旧態依然の雇用関係が通用する時代では無いということ。

つまり雇用に保障が無いのだから、企業とのドライな距離感を重視する傾向が労働者や求職者の中で大勢を占めつつある。

これがワークシェアリング、雇用の流動化でありいわゆる「産業構造の転換」である。そして雇用の保障を企業にすべて放棄させたのは、他の誰でもない「国」なのです。

政府は先行して同一労働同一賃金を取り入れた欧米を例に上げ「欧米並みの水準」という目標を掲げているが、実はその欧米でも非正規雇用の若年層は賃金を搾取され悲鳴を上げているのが実情。

各国とも非正規労働者の不安定さを報告している。特にドイツの有識者は「景気の影響を受けやすい形態は派遣労働と有期雇用」と問題点を挙げ、非正規は解雇コストが小さいため企業には調整弁として使われやすい、という日本と同じような現象を報告している。

これは「同一労働同一賃金」そのものが欠陥のあるシステムであることを暗に述べている。

仮に欧米みたいに制度を導入するのなら、セーフティーネットの網まですべて同一にしないとならない。

政府が示すこの同一労働同一賃金は社会保障とセットの法案なのだから、非正規も社会保険と厚生年金に編入しなければならないはず。

当然企業にとっては大きなコストアップとなるから、この変革で生き残れなくなる中小零細企業はかなりの数に昇るだろう。

金の動きは他人の賃金をピンハネした一部の大企業が、浮かせた資金を第三国でタックス・ヘイブンすることで隠し資産とする。

そして未だ蔓延る偽装請負の連鎖で次々と中抜きされ、末端請負企業と労働者に金が落ちてくる頃には最低賃金分しか残ってないわけだよ。

政府は偽装請負こそ厳しくメスを入れなければならない。結局必要なところに必要なお金が回らないわけだから、結果的に雇用そのものが搾られてしまうのだ。

わたしは思うのだが、同一労働同一賃金の賃金基準は企業によって決まるのではなく「職種」によって水準が決まってしまうのではないか?

商品に付加価値を与えることができないのなら、当然の如く最低水準の賃金に見合ったサービスしか顧客に提供できなくなるのだから。

人手が資本のサービス業などは、AI(人工知能)の市場参入によって事業者が自然淘汰されていく。これに当て嵌まる業種では予測よりかなり早い段階で経営が立ち行かなくなるだろう。

そのような産業に国がセーフティーネットを敷いてまで企業を救済する必要があるだろうか?答えは自ずと知れてるはず。

労働集約型産業、いわゆる人手の力で金を稼ぐマンパワー産業はこれにより壊滅するだろう。

最近定年後の再雇用で以前と同じ業務を行っているにも拘わらず、賃金を下げられて生じる賃金格差は違法。という判決が東京地裁で下された。(※1)

再雇用で賃金が下げられるというのは云わば慣例であり、ほとんどの企業がこのような対応をしていたはずだが、今回の裁判ではその慣例が「労働契約法違反」と認定された初めてのケースである。

この判例が労働市場で定着するのであれば、恐らく再雇用という制度そのものが無くなってしまうかもしれない。

これにより若い世代に雇用を譲る動きが促進され企業の新陳代謝が図られるという前向きな意見もあるが、高齢化社会における高齢者の生活費をどのように捻出していくのか?大きな社会問題も課題のまま残ってしまうのだ。

記事:http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/14/same-work-same-income_n_9975794.html
出典:http://www.huffingtonpost.jp/
引用:定年後再雇用、同じ業務で賃金格差は違法 東京地裁判決(※1)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H9O_T10C16A5CC1000/

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio

わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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