同一賃金、実効性の壁 政府指針に法的拘束力なし

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どうなんだろうね。安倍さんの意気込みはよく分かるんだけど、このガイドラインってのが実は曲者ではないかと思うんだよね。

この政府の要求通りガイドラインに沿った同一労働同一賃金の是正が出来るのは、ごく一部の業績の良い大企業のみでしょ?

あとは業績の良くない大企業や中小零細企業なんかは、ベースとなる賃金を下げることでしか正規・非正規の格差を縮小することが出来ないでしょう?

政府は「上(正規)の水準に合わせろ」って言ってるのに、ほとんどの企業では「下(非正規)に合わせる」ようにしなければ、ガイドライン通りに制度を導入することが出来ないはずなんだよ。

例えば諸手当・賞与の多寡は会社への貢献度を基準として算定するパターンが一番多いような気がするけどね。

この手の支給基準を作ることすら面倒臭がる企業は賞与を完全に廃止して年俸制に移行するかも。

ただ思うけどさ?たとえ正規雇用だろうが賞与無し・退職金無しって会社がいまはゴロゴロあるんだけど。

「正社員」は会社にとって「家族を養うこと」に等しいはず。

しかし養うことに何のプライドも持たない、ブラック企業の正社員であり続けるメリットは一体何なのかね?こっちが逆に聞きたいくらいだ。笑

だっていまの身分が仮に正社員であろうが終身雇用は約束されたものではないし、退職金だってちゃんと満額支払ってもらえるかどうか?これすら不透明でわからないんだよ。

こと非正規に至っては更に悲惨で賞与は無い・退職金も無い、もっと酷いのは年度ごとの昇給ですら一切したことがないという。

非正規だから雇用は安定したものじゃないし、賞与や退職金だって貰えないのなら、それら引当金分が賃金に加算されているかと言えば、そんなことすら絶対あり得ない訳だしさ。

いやね、ホント。そんなブラック企業にいいようにコキ使われて、貴重な労働力を搾取されてるんなら早いところ見切り付けて退職して、次の会社見つけたほうが絶対いいよ?

他の会社ならたとえ非正規雇用でも社保・年金を加入させてくれるかも知れないし、賞与だって気持ちばかりの寸志だけど微々たる額でもいただけるかもしれないんだからさ。

昭和50年代の社畜という言葉が正にピッタリだったモーレツ社員達が、会社のために何故あそこまで馬車馬のように働き続けることが出来たのか?

そしてこの時代の社員は何故そこまで出来ないのか?

経営者はこの違いを見誤ってしまうと、おそらくその社長の周囲には腹心がひとり残らず居なくなっているはずだ。

まず「終身雇用制度」だが、これは松下電器産業(現パナソニック)の創業社長である松下幸之助が、自社の社員のために導入した制度である。

この根幹にあるものは「たとえ経済や社会情勢が厳しくとも、自社の社員はすべて松下幸之助が守る」という信念から。

つまり終身雇用とは長期雇用慣行とも現すが、同一企業で定年まで雇用され続ける、日本独自の正社員雇用における慣行とも言える。

雇用が保証されるということはそこで働く社員の人生設計も描きやすいというメリットがあるからだ。

また退職金にしても貴方の定年まで会社が退職給与引当金を計上していれば、上場企業など大企業では退職金平均額が2357万円、東京都の中小企業では1383万円というデータ(2014年度)がある。

モーレツ社員時代では社員が仕事で頑張れば、会社も家族や生活の面倒をサポートする。

つまりWin-Winの関係だったからこそモーレツ社員は寝食も忘れ、社畜として仕事一筋に没頭出来たわけだ。

でもいまはこの終身雇用制度も崩壊したことで、労働者の働き方そのものを変えていかなければならない。

現在は欧米の雇用システムに倣い「ジョブ型雇用」や「ジョブ型正社員」などと呼ばれる。

また日本のような雇用システムはメンバーシップ型と呼ばれジョブ型とは区別される。

ジョブ型とは特定の仕事を適任の人に与えて、その仕事の成果や遂行能力に応じて雇用の継続や新たな待遇を決めていく。

ちょっと専門性の高い職種で主に導入されているシステム。

身分的には日本の正規雇用と非正規雇用の中間層に当たるとされ、このジョブ型雇用が欧米など諸外国では一般的な雇用の形である。

政府や経済界・シンクタンクなどは、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行を提唱している。

もしこの枠組に雇用システムを組み替えるとなると、社員の副業を認めたり(ワークシェアリング)、雇用の流動性をいま以上に高める必要があるだろう。

その方法としては「解雇規制の緩和」、つまり「金銭による解雇」制度を導入するしか無いと思う。

ちょっと失礼な話しだけど、いままで会社にとっての非正規雇用っていうのは、言葉は悪いが無能の人でも会社で雇用し続けなければならないスケープゴードの役割があったわけでね。

そのような背景もあるから非正規って言葉は失礼だしあまり用いらないほうがいい。

安倍首相が「非正規という言葉を無くしたい」というその考え方は姿勢として同調できるし、労働市場でこれだけ貧富の差が大きく二極化してしまうのは絶対に仕組みがおかしいんだよ。

新卒が全員正規雇用なのに中途採用は全部非正規みたいな分け方がとても乱暴すぎる。結局その会社に入社したときの入り口が違うだけの話しなんだからね。

そういう既得権益だけが良い思いをする欠陥システムは早々に撤廃すべきでしょ。

だけど政府もガイドラインをせっかく作ったにも関わらず「法的拘束力なし」というね…。

モタモタしてると同一労働同一賃金システムそのものが形骸化してしまう。それじゃあ困るんだよ。

記事:http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC20H17_Q6A221C1EA2000/
出典:http://president.jp/
引用:同一労働同一賃金ガイドライン案 -首相官邸ホームページ-(※1)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/siryou3.pdf(※PDF)

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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