人手不足を背景に正規雇用が増加、日本経済への影響は

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正規雇用が増えるというのは喜ばしいとは思うけどさ。

でもその求人のほとんどは就労環境が著しく激悪な労働集約型産業なわけでしょう?

これらの仕事って、賃金が異常に安い・就労環境が悪い(控室等がない)・薄給の割りには拘束時間だけが長い、とか。

こうしたマンパワー産業の就労環境の劣悪さは、人手不足と騒がれるかなり以前、1990年代頃から常に叫ばれ続けてきたけど、結局はなにも改善されずただ放置されていただけに過ぎないんだよね。

改善されないまま本格的な高齢化社会の波が押し寄せてきて、慌てて正社員の募集を始めるとかさ、いくらなんでも行き当たりばったり過ぎるでしょ?経営のビジョンが見えないよ。

基本的に日本のサービス産業の労働生産性は低いので賃金として還元しにくい上に、これらのマンパワーが必要な企業って大概が末端請負の零細企業でしょ?

これらの企業が正社員として定着させたいと思っても、大企業に比べれば福利厚生の面では比較にすらならないわけ。

じゃあどこで勝負する?となれば、他の企業には出せない高賃金で縛り付けるしか打つ手が無いはずなんだよ。

結局、労働集約型産業で万年人手不足に陥る企業ってのは、人手が不足する要因・構造そのものは20年前から何ら変わってないはずだから。

春闘を終えてブラック労働の代名詞だった運送業のヤマト運輸は、荷物の総量抑制をした上で更に取引先各社へ15~20%の値上げ要請を行っている。そしてこれに大手の佐川急便や日本郵便も追随する動きを見せている。

つかね、打つ手が遅いんですよ。

「お客様は神様です」当然でしょう、その意味は痛いほどわかります。でもね?顧客の言うことは真摯な態度で受け入れるのに、実際にサービスを担当する現場スタッフの断末魔の叫びには一切耳を傾けてこなかったじゃないですか?

それはそうでしょう、仕事量そのものが増えていて尚且つ休憩時間を潰したりサービス残業までしなければ仕事が終わらない。それなのに会社の業績は下がり続け、純利益だって年々減少の一途を辿るんだから。

こんな状況下で「賃上げ」なんてスタッフたちも口が裂けたって言えないよな。

そしてついには社員やスタッフの士気はドン底まで下がってしまうのだ。だってこのままそこで働いていたって、その会社が描く将来のビジョンがスタッフに正しく伝わらなければそりゃあ皆んな辞めますよ、当たり前でしょう。

まずはヤマト運輸が動き、各宅配会社も追随して配送料金の見直しを図る。これによって運送業界の労働生産性が改善されれば、同じような労働集約型産業の他サービス業だって、顧客に値上げ交渉を本格的に行っていくかもしれない。

ここまでサービス業の労働生産性が低下してしまったのは、サービス品質を向上しなければ他社との差別化が図れないと業者が錯覚してしまい高品質なサービスを打ち出していく。

しかし顧客サイドはこれだけでは飽き足らず、更に過剰なまでのサービスを次から次へと業者に求めていき、そのサービスが気に入らなければ当然のように値下げを要求してくる。

業者は「切られたくない」という呪縛から要望を受け入れ、その負担をスタッフへ一方的に押し付けてしまった。しかし仕事内容が賃金に見合わなくなればスタッフは当然の如くその会社を辞めていく。

高品質サービスの提供に単価が見合わなくなり、サービス業界では手抜き・騙しの常態化が当たり前となってしまった。結局はこの負のループが延々と続いてしまったんだよね。

だから27年ぶりに値上げへと踏み切ったヤマトを始めとする宅配業界の業務改善と収益性改善の行く末をわたしは非常に注視している。

記事:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-30/OP2ESW6JTSE901
出典:http://news.mynavi.jp/

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio

わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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