(ごみをどうする)34種類を分別、徳島県上勝町を取材

ne_2016-0620

2000年前後に飲食店舗が一定数以上入居している大規模な複合商業施設には、大型の生ゴミ処理機を設置する動きが一時期目立っていた。

大量の生ゴミを選別して生ごみ処理機に投入し、80~110℃前後で乾燥させながら微生物の力で残渣物を発酵させ分解する。そして排出した生成物(コンポスト)を数ヶ月寝かせて堆肥化するという工程。

その生成物は業者に卸し堆肥として購入してもらう生ゴミリサイクルが一時期ブームになりかけていた。要は「当施設は環境保全に努めリサイクルを推進しています」ってアピールしたかった訳だ。

ただ十分に乾燥させ微生物の発酵時間を長く取っても、この手の生ゴミを堆肥にするには油脂分が多すぎて結局農業用には適さなかった。

ちょうどその頃に社会問題化したのが狂牛病、いわゆる「BSE問題」。当時は家畜の飼料に肉骨粉を使っていたのだが、この肉骨粉にBSEの原因物質が含まれているってことで使用禁止された頃に当たる。

そこでスポットライトが当たったのが、生ゴミ処理したものの結局農業用堆肥として使用できなかった生ゴミの生成物。この生成物がすべて肉骨粉の代替飼料として使用されることとなったのだ。

ゴミの処分で一番効率的で安上がりなのは結局焼却処理。以前はダイオキシン類がもたらす環境汚染問題で廃プラなど分別せざるを得なかった。

しかし現代では高温焼却炉に投入し1000~1100℃以上の高温で燃焼させ、その後排ガスを急速冷却することでダイオキシン類の再合成を防ぐことが出来るようになった。ダイオキシン類は塩素源がないと合成されないのだ。

事業者から排出される廃棄物のリサイクルが声高に叫ばれるようになった一因として環境ISO(14000)の存在が大きかったと思う。

2000年頃から環境に関するISOの数値目標として一番取り入れやすい「ゴミ品目毎の搬出量」と「リサイクル率」そして「ゴミの品目別処理費用」を事業者は廃棄物処理業者に明細を求めるようになった。

以前は廃棄物処理業者の言い値で処理費用を支払ってた事業者がほとんど。だから古くからある廃棄物処理業者は相当ボッタくってたらしい。つまりその単価設定に根拠がなかったわけ。

この動きに廃棄物処理業者はゴミ処理についての品目別処理フローを明確にして、処理コストに至るまで根拠を事業者から求められるようになった。

これを期に廃棄物処理業者が限られたパイを取り込もうと出来うる限り処理コストを削り、競合他社よりも低い価格で契約を取りにいく。

そしてゴミ処理費用の低価格化に歯止めがかからなくなっていく。どの産業もそうであるように廃棄物処理でも「安かろう悪かろう」というサービスの提供で苦しむことになる。

事業者が求めてきたのはゴミの品目別搬出量、これを計量するために廃棄物処理業者はスタッフを常駐させ、運ばれてくるゴミをその都度計量台に乗せて200グラム単位ですべてのゴミを量る方法を提案する。

しかし常駐させるスタッフの人件費が無駄ということで、現在では回収車両(パッカー車や平ボディ車)に小型計量台を搭載して、ゴミを車に詰み込みながら計量する方法が現在では主流になっている。

こうして事業者が設定した数値目標・廃棄物の削減・リサイクル率など環境ISO項目について廃棄物処理業者のデータが利用されるようになった。

だがリサイクル可能なものでも本当にリサイクルに回すとなるとそちらのほうがコストは高くつくし、回収したゴミをそのままリサイクル工程に流すには不純物が混じり過ぎて再生利用できないものがほとんど。

そのために一旦自社の中間処理施設に持ち込み再分別を行った後、リサイクル工程へと送り出す。つまり廃棄物処理業者がこの中間処理施設を有しているか?その存在が営業的には非常に大きなセールスポイントとなってくるのだ。

リサイクル方法としてクローズアップされるのが「サーマルリサイクル」で、現代では恐らくこのリサイクル方法が主流ではないかと思われる。

結局サーマルリサイクルとは「焼却処理で発生する熱エネルギーを有効利用しています」という建前があり、リサイクルもいろいろ試行錯誤してみたがやっぱり焼却処理が一番低コストで安上がり、ということがみんなにバレてしまったわけ。

熱回収だって立派な「リサイクル」には違いないから。多分ゆくゆくは環境ISOにおける主流のリサイクル方法がサーマルリサイクルになるだろうね。

「循環型社会形成推進基本法(※1)」なる廃棄物・リサイクル対策の優先順位を定めた法令があるので、事業者の環境ISO上でもサーマルリサイクルでの数値目標を設定することが最も多いケースだろう。

ここで国際標準規格のISO規格を振り返ってみよう。

このISOも以前ほどビジネス的な価値もなくなっており、実務にそぐわないということでISO認証を返上する企業が増えている。事実ISOの事業者登録数は2009年をピークに減少傾向にある。

サーマルリサイクルもリサイクルという観点から見ればややイレギュラーであり消極的な方法。つまりISO規格の維持という目的にのみ囚われて本質的な問題を迂回しているだけのように見える。

もうISOに縋る時代ではないでしょう?

記事:http://www.asahi.com/articles/ASH6Q5WS1H6QULBJ00S.html
出典:http://matome.naver.jp/
引用:EICネット 環境用語集:循環型社会形成推進基本法(※1)
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1241

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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