DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言

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WELQ炎上事件のあらましを掻い摘んで説明すると、上場企業であるDeNA(ディー・エヌ・エー)が運営する医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」の記事について「医学的な裏付けや引用するソースの情報も無いにも関わらず、病気のことを調べるために検索するとWELQの記事がなぜか上位で表示される」とSNSを中心にユーザーからの不満の声が上がっていた。

これはあまりにも作為的であまりにも不自然な検索ランキングではないかと…。

WELQは誰でも記事を書くことが出来る「キュレーションメディア」を標榜しているが、WELQ運営会社のDeNAは「記事の内容について責任を負わない」と責任逃れをするための表記していたのだ。

このDeNAの無責任さに怒り心頭に発したとあるブロガーが、そのDeNA内部で行われていた内部事情をスッパ抜き、ネット上で告発したところから端を発する。内部事情を告発した記事が読者数が多いネットメディアに取り上げられることとなり、その騒動が一気に拡散・炎上してしまったわけだ。

「一体それのどこが悪いんだ?」と仰っしゃる向きも確かにあるとは思うが、現在問題点とされている点は「不適切なキーワードで集客していたこと(※1)」や「医学知識に乏しいライターが専門家に医療的な裏付けをすることもなく記事を勝手に掲載した」ことなどを糾弾すべき問題点として挙げている。

いまの検索エンジン、つまり日本で90%以上のシェアを誇るGoogleエンジンのことなのだが、そのアルゴリズムは幾重にも渡る計算項目を複合的に判断し、処理された検索順位をユーザーに値として返す。

これを専門用語で「SEO対策(Search Engine Optimization)」の頭文字から付けられた名称で、日本語訳すれば「検索エンジン最適化」となる。

まず「検索するキーワードはいくらでもあるのに、なぜWELQの記事だけが上位で表示されるのか?」と疑問を持たれることだろう。主要検索エンジンで検索回数の高いキーワードのことを「ビッグワード」と呼ぶ。

「子育て」「住宅ローン」といった汎用的なキーワードが多いため検索される数は多いが、その分競争は激しくなりビッグワードを狙って上位表示させることは非常に困難を極めるのだ。

しかしDeNAではSEO対策専門の部署があり、外部ライターが書き起こした記事を元に、簡単なセッティングでSEO対策が済むものはその部署で設定を行い、ちょっと難易度が高めのキーワードがある場合はSEO対策を専門に行う外注に流すか、もしくは社内でも機密度の高いデータを扱う専門部署がセッティングを行っていたようだ。

お金をかければスポンサー枠で上位表示される「リスティング広告」とは違い、SEO対策では例え資金を投入しても必ず思い通りの検索結果が出るわけではないのでそれなりの知識・テクニックが求められる。

わたしも10年以上前に勤めていたブラック企業が運営するネットショップに、SEO対策のセッティングをしていたことがある。

ただこうしたIT分野は技術革新が非常に速いので、もうわたしの知識では現代のSEO対策はイチから勉強し直さないと対応出来ないだろうなぁ…。

SEO対策では他でも発覚したものには、iPhoneの音声認識アシスタント『Siri』に「死にたい」と音声入力すると、なぜか宗教団体「幸福の科学」の運営する自殺防止サイトに誘導されてしまうという問題が指摘された。(※2)

またここまでストレートなキーワードではないが、「うつ」「職場の人間関係」「受験失敗」などのネガティブワードでも、検索結果として自殺防止サイトに誘導されるようだ。

ただその自殺防止サイトの役割が、幸福の科学へ入信を勧めるような文言などもあったため、これが一部で問題視されていた。

このように法人ではあらゆる方法でインターネットを最大限活用しようと、様々な方法を試行錯誤しながら最終的には利益へと繋げている。

WELQについては複数のネットメディアから各種の違法性を指摘されたことに伴い、DeNAでは批判を受けた対応策として、11月25日に「公開されている記事について医師や薬剤師などによる監修を始めます(※3)」とWELQページ上発表したものの、その後も批判は収まることが無かった。

そして11月29日21:00現在「【お知らせ】WELQの全記事の非公開化について(※4)」という見出しとともに、記事や広告商品の販売停止などすべてを非公開とする措置を取るに至ったようだ。(※5)

まあ無難な対応かな、とは思う。やはりプロ野球球団まで保有する日本屈指のIT企業なんだしさ。

そんなIT企業がこんな最低限のコンプライアンスすら守れなくてどうすんだよ?ってツッコミどころとか満載だったしね。笑

ソシャゲブームに便乗して一代で財を成した同業のIT企業は、ブームの陰りが鮮明になったことでどこも苦戦を強いられている。

早くソシャゲに替わるビジネスモデルを構築したい経営陣の焦りはよく理解出来るのだが、「儲けるためには何をやってもいい」って姿勢、それはどうなんだろうね?

キミたちの会社を大きくするために廃課金プレーヤーを次から次へと製造した。その結果、自己破産するまでソシャゲに注ぎ込んでしまったユーザーも多かったはずだ。

要は消費者を「生贄」にすることで巨額の富を得る、いまはこういう商売でしか成り上がることが出来ない時代なのかなぁ…?なんだか悲しいよね。

追記:東京都、WELQ問題でDeNAを“呼び出し” 「同様な他サイトへの対応も検討」(※6)
「不正確な情報が掲載されている」と問題になったディー・エヌ・エー(DeNA)の医療情報サイト「WELQ」を、東京都も問題視していることが分かった。都福祉保健局は11月28日、「WELQに問題がある」と判断し、DeNAの担当者に来庁を依頼したという。医薬品に関する不適切な情報を掲載しているほかのサイトへの対応も検討している。

記事:https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/welq-03
出典:http://bylines.news.yahoo.co.jp/
引用:「死にたい」検索トップの「welq」の記事、DeNAが広告削除 「不適切」指摘受け
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1610/26/news117.html(※1)
引用:iPhoneに「死にたい」と相談すると宗教団体『幸福の科学』へと誘導される問題(追記あり)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinoharashuji/20161113-00064389/(※2)
引用:「信頼性薄い」批判受け……DeNAの健康情報サイト「welq」、専門家が監修へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/26/news021.html(※3)
引用:DeNA、「医療デマ」批判の健康情報サイトWELQを一時閉鎖 『多大なご迷惑をおかけした』
http://japanese.engadget.com/2016/11/29/dena-welq/(※4)
引用:WELQ [ウェルク] | ココロとカラダの教科書
https://welq.jp/(※5)
引用:東京都、WELQ問題でDeNAを“呼び出し” 「同様な他サイトへの対応も検討」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/30/news084.html(※6)
加筆:2016/11-30/19:59訂正

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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