【英国民投票】 離脱派が勝った8つの理由

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間違いなく今年最大の世界的ニュースなのが、23日に実施されたイギリスのEU離脱(ブレグジット:Brexit)の是非を問う国民投票だが結果はご存知のとおり。

離脱1741万742票(51.89%)、残留1614万1241票(48.11%)という投票前の予想よりも大差でイギリスのEU離脱が決まった。

投票率は72.2%とイギリス国民の関心の高さを示したが、わたしの考えは「最終的に残留に傾くだろう」と思っていたので今回のEU Brexitの結果にただただ驚き、そして狼狽するほどに混乱してしまった。

わたし自身が思考回路のエラーを修復するために暫し猶予が必要となってしまったほど。

世界経済の浮沈がこの国民投票で決まるほどの重みのある票だったが、意外にもEU BrexitでEU離脱派が勝利した24日夜に最も多かった検索ワードは「EU離脱の意味は?」であり、2番目は「EUとは?」であったと米インターネット検索大手のGoogleが明らかにした。

今回の国民投票では若年層は残留派、そして中高齢層が離脱派に分かれたとされる。

主にEUからの離脱を訴える保守党の支持層は低学歴の中高齢層で「移民問題」に最も関心を示す中間層(ミドルクラス)という傾向が強い。

ハッキリ言ってしまえばイギリスの地方部に住む50歳以上の保守的な低所得のブルーカラー(労働者階級)が多かったのだ。

ちなみにEU残留を支持する有権者の典型は、都市部に居住し50歳以下の高学歴で中~高収入を得ている白人に限定されない人々であり、離脱支持派の有権者とは対角にある。

離脱派の人々は残留派に比べ知識力・情報力に乏しいというデータがあり、このデータを裏付ける形となったのが先のGoogle検索ワードで計らずも証明されてしまった。

このEU Brexit運動で活動していたEU残留派の労働党ジョー・コックス下院議員(41)が英中部バーストールで射殺された。(※1)

殺人などの容疑で訴追されたトーマス・メア容疑者(52)は18日ロンドンの裁判所で尋問を受けた。名を問われて「裏切り者に死を、英国に自由を!」と答えた。

このトーマス・メア容疑者は事件現場で国粋主義的な言葉を発していたと報道されている。

この離脱派の支持層は11月に行われるアメリカ大統領選で猛威を奮っている、共和党ドナルド・トランプ氏の支持層と大きく重なり合う。

トランプ氏の核となる支持者は不当に下層市民扱いされ、格差を生む経済政策や移民のせいで働き場を失いつつある。

やや右寄り・保守的な年配者で低学歴・低所得の白人労働者層が多い。

日本にも見られる正規・不正規の所得格差は、実はイギリスやアメリカでも同様に生じており、極端な所得の二極化が進行している。

これがいわゆる閉塞性の強い格差社会の正体である。

EU Brexitの結果は欧州市民の間でEUへの失望が如何に深かったかを露呈し、右派ポピュリズム勢力が燻ぶる中高齢層の支持を上手く取り付けたことが最大の勝因だろう。

デイビッド・キャメロン首相がなぜ「EU離脱」という世界的な影響も計り知れない最重要案件を国民投票に委ねたのか?

これまでのEU加盟国との交渉過程から国民投票を行えばEU残留は可能との判断からだったのだろうが、このEU Brexitの結果が招く世界経済への影響などイギリス一国だけでは留まらないのに、如何にも消極的過ぎる方法を選択してしまったように思える。

そしてキャメロンに下された国民の審判は「NO」だった。

EU離脱派、つまりシルバー民主主義者たちが期待するのは過去の栄光、すなわち強い大英帝国の復権だろう。

そして経済的には国際的なグローバル化など望まない中高齢層が激しく遷移するパラダイムの変化に歯止めをかけ、雇用を脅かす移民を排除し国民の雇用・所得・社会保障の面倒は国家に守ってほしいということなのか。

実権を握った右派ポピュリストたちは共に勝利の凱歌を挙げるその陰で、デイビッド・キャメロン首相は静かに政治の表舞台から退場する。

国民投票を終えた24日、キャメロン首相は辞意を表明した。

記事:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-36628343
出典:http://www.bbc.com/japanese/
引用:EU残留派の英女性議員、銃撃され死亡 国民投票控え衝撃広がる(※1)
http://jp.reuters.com/article/uk-opposition-lawmaker-shot-during-campa-idJPKCN0Z222G

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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