米雇用者数、11月は17.8万人増 失業率は約9年ぶり低水準

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オバマ大統領についてわたしはちょっととんでもない思い違いをしていたようだ。

わたしは以前このブログでオバマ大統領の政策を「リベラリズムに終止した、当たり障りの無い政治」と斬り捨てたことがある。

しかも「リベラルという思想は、欧米では軽蔑語の意味で使われることが多い」という余計なひと言まで沿えて…。

まずはその発言を撤回し、ここに謝辞を述べたい。

しかし今回11月の米雇用統計は、事前の予想を上回る雇用者数の増加とともに、失業率は4.6%と前月比0.3%ポイントという9年ぶりの低水準だった。この結果は正に米国経済の底堅さを物語っている。

オバマ大統領は2009年1月に第44代アメリカ合衆国大統領に就任したが、当時は前年9月にリーマン・ブラザーズの破綻、いわゆるリーマン・ショックにより米国はもとより世界的な金融危機を招き、出口の見えない不景気に突入する。

そんな難しい局面で米国の未来を託されたオバマ大統領は、不穏な中東情勢にも米軍が積極的に介入していったブッシュ前政権の介入主義を否定し、対話による解決という新たな外交政策を打ち出す。

これはリーマン・ショック後の経済対策と同時に、イラク戦争での度重なる軍事活動を抑制し、疲弊した米国経済を立て直す狙いがあったのだ。

しかし中東から米軍が撤退するタイミングについて遅かったとする意見が支配的で、部隊撤収後の混乱に乗じて勢力を拡大したイスラム国(IS)の台頭を招き、中東に更なる混迷が訪れてしまった。

このオバマ外交にはいまでも称賛と批判が入り交じるのだが、しかしブッシュ式外交をそのまま継続していたら米国経済は更に疲弊し、現在の好況感など望む術も無かっただろう。

そして8年間の在任期間中、オバマ大統領は一貫して失業率の改善を図り、新たな雇用を創出するための経済政策に尽力していた。

今日の米国経済が活力を取り戻した功績について、素晴らしい指導力を発揮したオバマ大統領を素直に讃えなければならないだろう。

実は来年1月米国新大統領に就任するトランプ氏は、非常に好ましい状況でオバマ大統領からバトンを受け継ぐことになっているわけだ。

トランプ新政権は更なる景気拡大を図り、大規模な景気対策を打ち出してくることから、景況感は過熱気味となることが予想されるため、FRB(Federal Reserve Board)は利上げに踏み切る公算が高い。

そしてトランプ氏は中国に進出している製造業の雇用を米国内に取り戻すため、アップルなどのグローバル企業へ早々に牽制球を放っている。

このためトランプ氏が新大統領に就任する年初には、製造業や建設業などに雇用促進の一時的な効果が見られると思う。

低所得者層なども含め米国内の国内消費は旺盛である。トランプ氏は高い賃金で大きな消費を生み出す製造業に、雇用のテコ入れを図ることで更に大きな消費を生み出すか?

しかし製造業の雇用や消費が不発に終わると、米国内の雇用で大きなシェアを占めるサービス業では、基本的に供給できるサービスのエリアは限定的なので、大きく消費が伸びる要素はほぼ皆無である。

そしてトランプ氏は米国産業の保護主義を声高に訴えているが、これがグローバル社会を望む世界から強いバッシングの材料となるだろう。批判の声をよそにトランプ政策は自国の保護主義を貫いていくことが果たして出来るのか?

オバマ大統領が残してくれた貯金を、トランプ氏が食い潰すことにならなければ良いが…。まずはその動向を注視したい。

記事:http://jp.reuters.com/article/us-nov-payroll-idJPKBN13R1MF
出典:http://toyokeizai.net/

TAKEMOTO, Toshio
TAKEMOTO, Toshio
わたしはPsychopathでありAlcoholismと戦っています

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